イイヅカテッコウショ
最先端の「ものづくり」で暮らしを支える飯塚鉄工所をルポ!
加工の技術力で私たちの暮らしを支える企業
エネルギー分野や医療機器などのポンプやバルブ部品を主に製造する飯塚鉄工所。加工の技術力と一貫生産体制によるサポート力で同社の活躍のフィールドは拡大し続けてきました。現在ではスマホやパソコンに欠かせない半導体製造装置の部品やインフラ設備といった、私たちの暮らしのあらゆる場面を支える高技術の「ものづくり」を行っています。
今回はそんな同社の「技術」「人材育成」「福利厚生」に注目!社会を支える高技術のほか、和気あいあいとしながらも自己研鑽に励む社員を支援する社内教育制度、他社では珍しいユニークな福利厚生について伺いました!
業務管理部
高橋 沙織さん
「毎週水曜日はノー残業デーです。また年間休日数が徐々に多くなってきており、より働きやすい職場環境へと、どんどんアップデートしています!」
最新鋭のマシンと高い技術力で「ものづくり」に挑戦!
新潟県柏崎市の工業団地に本社工場を構える飯塚鉄工所。軽井川エリアに3拠点の工場があり、愛知県にも営業所を設ける、高い技術力と優れた一貫生産体制に強みを持つ企業です。
約70年前の創業時は石油精製用ポンプなどの修理をメインにしていたといいますが、「これからはものをつくる時代!」と製造業へ大胆にシフト。アルミやステンレスの加工に力を入れ、いまでは半導体や医療機器、医薬・化学プラント、液化天然ガスプラントなど様々な分野で飯塚鉄工所の製品が使われるようになりました。その販路は国内はもとより、海外にも広く及んでいるといいます。
同社の高度な加工技術を支えるのは、最新鋭の加工機械の数々です。一度に複数の工程を加工する5軸加工機や、独自にカスタマイズした6軸複合加工機を導入し、顧客からの多様なニーズに素早く対応しています。技術の開発にも力を入れ、国内特許7件、国際特許2件を取得しています。
独自にカスタマイズした6軸複合加工機は、もともと製品の加工に150時間かかっていたところを15時間まで短縮した実績を持つ優れもの。最新の機械と新しいことへの挑戦心でお客様の要望に柔軟に応えています。
人の命を守るために欠かせない医療機器の部品やインフラを支えるガス管のバルブなどを製造している同社なら「社会に貢献できる!」と思い入社を決めた社員もいるそうです。
国家的プロジェクトの一翼を担う製品づくり
飯塚鉄工所が特に強みを持つのが気体や液体といった「流体を運ぶ」ジャンルだといいます。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、具体的にはポンプやバルブ部品の製造です。例としては、ビルの空調に使われるバルブやガス管などがあげられます。同社ではさらに命に関わり、高い精度が求められる医療品関連の製品も手がけ、人工透析用ポンプの製造では国内シェアの約50%を占めています。
ほかにも国のプロジェクトとして推進されている、脱炭素社会に向けた液化天然ガスプラントの重要な部品を製造しています。脱炭素化への取り組みは、今後さらに世界的な規模で加速していき、それに伴い同社の製品もさらに需要が高まることが見込まれています。
この国家的プロジェクトに関わる部品はシビアな環境下での使用が想定され、加工精度はもちろん、使用環境に耐えうるコーティング技術など製品の総合力が問われます。同社は徹底した一貫生産を心がけ、協力会社と力を合わせながら顧客のニーズに即した的確な製品づくりを行っています。
ユニークなサービス続々。働きやすさも全力追求!
飯塚鉄工所は福利厚生もユニークです。社員食堂には「オフィスおかん」なるものを導入。これは管理栄養士が監修したお惣菜などが購入できるサービスで、主食・主菜・副菜を取り揃え、なんと1つ50円で購入できます。「お弁当のおかずが足りないな、というときなどによく利用します。家に持ち帰ってもいいので、晩ご飯のおかずに買っていく人もいるみたいですね」(業務管理部 高橋さん)
ほかにも提携する美容室が1,000円割引で利用できるサービスなど、社員の暮らしをサポートする取り組みを心がけています。
同社工場には女性社員も多く、男女ともに働きやすい職場環境の整備にも力を入れています。女性社員の産前産後休業・育児休暇取得率、育児休暇からの復職率はなんと100%。男性社員の育児休暇も取得実績があり、「子育てサポート企業」として厚生労働省の「くるみん」認定も受けています。
有給休暇も取りやすく、「休みたいな、というときは上司に申請すればほぼ確実に有休が取れます」(製造部 和田さん)。業務管理部の高橋さんも、「もし誰かが休んでも常にカバーできる体制が整っています。希望があれば気軽に申請してください」と有休取得を促しています。
産休や育休など長期のお休みを取る際は、社内の全員が「いっておいで~」という雰囲気で送り出してくれるそうです。ほかにも、住宅補助や少子化手当などを導入し、働きやすい環境づくりに注力しています。
OJTで仕事を学び、資格取得も後押し!
バリバリの理系はもちろん、同社は文系にも門戸を開いています。入社後は座学で3ヵ月かけて飯塚鉄工所の考え方や業務を学び、それから各部署に配属され先輩社員から直接仕事を学ぶ仕組みです。
「1、2年目は分からないことを無くす期間。失敗を恐れずどんどんチャレンジしてほしいです」と高橋さん(業務管理部)。この考え方が会社全体に浸透しているからこそ、焦らずゆっくりと成長できます。
3ヵ月前に転職してきたばかりの佐藤さん(品質管理部)は「先輩がフォローしてくれるから心強いです。最近は1人でできることも増えてきました」と成長を実感していました。
製造部で3年目の大倉さんは「この会社の加工は対応できる範囲が広く、常に違った製品がつくれるので楽しい」と満足そう。「今後は技能検定2級に挑戦したい」とレベルアップを目指します。同社では業務に関わる資格取得について、会社が費用の全額を支給してくれます。
公的な資格のほかにも、社内認定制度を用意しています。これは業務の知識や技能の習得に応じて「マルチプレーヤー」から「マルチエキスパート」の3段階の資格が用意され、取得すれば手当が支給される制度。“仕事に自信をつけ、誇れる技術者になってほしい”という社長の熱い思いから発足しました。
男女とも若い社員が主力の飯塚鉄工所。現在は新社屋も建設中です。働きやすさと学びやすさ、ユニークな発想にあふれた元気な企業のこれからが楽しみです。
社員の半数以上が20~30代で、平均年齢は41歳と社内は若く活気がある雰囲気です。また女性社員が全体の4割ほどを占め、男女関係なく皆さんが生き生きと働いている姿が印象的でした。
社内認定制度の認定条件は厳しく、最高難易度の「マルチエキスパート」の合格者は未だ1人。よりレベルの高い技術者として認定されるよう、皆さん日々新しい知識や技術の習得に励んでいます。
約70年の歴史がある鉄工所というイメージで訪問したのですが、社員は若い方が多く、女性も多数、業務に携わっていました。工場には最新のマシニングセンタが並び、仕事は機械操作がメインなので男女関係なく働けます。工場内はとてもクリーンで、金属の膨張を防ぐため室温が年中25度前後に保たれています。夏でも冬でも快適な環境で働けると感じました。